介護事業開業・立ち上げ申請センター/山口行政書士事務所

訪問介護の事業開始までの流れ

ここでは、訪問介護(ホームヘルプ)及び訪問予防介護の指定を受けるためのスケジュールについて解説していきます。

STEP1:事業開始前の基本事項の決定

まず、訪問介護事業を行う前に全ての基本事項を決定しておく必要があります。以下の表の基本的事項を決定しておくことで、今後のスケジュールが組みやすくなります。

① 事業所の名称を決定
訪問介護の事業所には、基本的にどのような名称でも問題はありません。
しかし、都道府県によっては同一府県に同一又は類似の名称が使用できないこともあります。
どのようなネーミングが良いか、類似の名称が既存業者でないか等は弊社でも確認できますので、ご相談時にお申し付け下さい。
② 事業所の営業時間とサービス提供時間の決定
続いて、事業所の営業時間と実際のサービス提供時間を決定しておく必要があります。
事業所の営業時間は、最終的に人員要件である常勤換算人数にも影響しますので注意が必要です。
また、実際のサービス提供時間とは、介護ヘルパーの実働時間を指しますが、事業所の営業時間と必ずしも合せておく必要はありません。
③ 営業開始日の設定
訪問介護事業の指定申請を行えば、翌日から事業開始できる訳ではありません。
都道府県での扱いが異なりますが、申請受理後、約1ヶ月ほどかかります。
申請までの準備事項(介護ヘルパーの雇用準備、営業所及び設備の準備等)を含めて約3ヶ月前には営業開始日を決定しておく必要があります。

STEP2:会社設立又は事業目的の変更を行う

介護事業を始めるためには、必ず法人格であることが条件となります。法人格でない場合は、最初に会社設立手続きを行います。

すでに法人格をお持ちの場合は、会社の事業目的欄に、

「介護保険法に基づく訪問介護、介護予防訪問介護事業」

という文言が入っているかを確認して下さい。入っていない場合は事業目的の変更登記を行います。

STEP3:事務所を準備する

訪問介護事業所を開設するためには、事務所を用意しなければなりません。さらに、事務所には事務スペース以外にも相談スペースや手洗い場が必要となります。

なお、事務所の賃貸借契約時には以下の事項に十分にご注意下さい。

  • 事務所の契約者は必ず法人名で行うこと。(個人名義では、受理されません)
  • 契約書の使用目的が『事務所』となっていること。

また、自宅を事業所にすることも可能ですが、厳格な要件をクリアする必要がありますのでご注意下さい。弊社でも確認させて頂きますので、この場合は、遠慮なくお申し付け下さい。

STEP4:人員を確保する

訪問介護事業には、管理者、サービス提供責任者、介護ヘルパーが必ず必要となりますので、これらの人員を確保していきます。

人員は最終的に雇用できれば問題はありませんので、この時点ではとりあえず雇用契約書を締結しておくようにして下さい。

サービス提供責任者や介護ヘルパーの資格証等も必要となりますので早めに預っておいて下さい。

STEP5:事務所備品を準備する

訪問介護事業所の指定申請の時点で「いつでも訪問介護事業所を運営できる状態」である必要があります。

これを証明するため事務所内部の写真の提出が必要となります。

必要となる備品類を下記に列記致しますので、準備品のチェックを行って下さい。

  • 電話機・FAX機(一体型で問題ありません)
  • パソコン・プリンター
  • 書類を保管するための「鍵がかかる書棚・書庫」
  • 事務スペースに設置する机・椅子
  • 相談スペースに設置する机・椅子
  • パーティーション等のついたて(必要な場合)
  • 手洗い用石けん・消毒液

電話・FAX番号も指定申請時には必要となりますのでご準備下さい。

STEP6:いよいよ申請書類の準備

ここで、ようやく指定申請を行うための書類を準備していきます。

この時点で、別途用意しなければならないのが、損害賠償保険です。

最近では、介護事業者用の損害賠償保険が比較的安く加入できますので、各社を比較して選定してみてください。

なお、指定通知書が交付されるまでには保険証券のコピーの提出が必要となりますので、前もってお早目に加入手続きを終えておいて下さい。

その他書類関係は訪問介護事業の必要書類をご覧ください。

都道府県の違いや個々の状況によってその他必要となる書類が発生することもあります。ご注意下さい。

STEP7:申請書類の提出

管轄の行政(県民局等)へ申請書類を提出します。提出書類に不備等がなければ受理されます。

ご自分で申請される方は、1回で問題無く受理されることは難しいので、念のため数回は訪問されることをご留意ください。

また、指定申請のための書類と同時もしくは指定後に、別途提出しなければならない書類もあります。これは、管轄庁によって提出時期及び提出先が異なりますので、申請の際に確認しておきます。

  • 老人居宅生活支援事業開始届出
  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出
  • 介護保険法第115条の32第2項又は第4項に基づく業務管理体制に係る届出
  • 生活保護法指定介護機関指定申請

当事務所へご依頼頂いた方は、上記書類の申請も全てお任せ頂けます。

補足事項:助成金や融資申請

上記のSTEP7までが訪問介護事業指定申請の流れですが、この他に助成金の申請や金融機関への融資申請をご検討の方は前もってお申し付け下さい。

助成金申請は、会社設立前や従業者雇用前に手続を行わなければならないものも多く、申請時期を逃してしまい受給できなかったケースも多くみられます。

<利用可能な各種助成金━例示>

  • 介護基盤人材確保助成金
    介護関連事業主が、新サービスの提供等に伴い、特定労働者を雇い入れた場合に、対象労働者1人あたり上限70万円まで助成される制度です。介護事業を始める1ヶ月前までに最初の申請を済ませておく必要があります。
  • 介護未経験者等確保助成金
    介護関係業務の未経験者を雇用し、1年以上継続して雇用することが確実であると認められる場合に助成される制度です。雇入日から6ヶ月を満了した日の翌日から起算して1ヶ月の間に、都道府県労働局に対して助成金支給申請を行います。
  • 受給資格者創業支援助成金
    雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に従業者を雇用し、雇用保険の適用事業の事業主になった場合に、助成金が支給されます。会社設立前に助成金の手続申請(法人等設立事前届の提出)が必要になります。

助成金申請は、手続において必要となる書類関係が膨大な量となります。当事務所では、提携の社会保険労務士と協力体制でお客様をサポート致します。介護事業を始められる前に、ぜひご相談ください。


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